【9月14日のコトバ】ダメだ。三次元だぜ。立体的すぎる。生きてる。しかも動いてる。

『太陽の塔』(森見登美彦)より

「ダメだ。三次元だぜ。立体的すぎる。生きてる。しかも動いてる。」

私がもっとも好きな作家のひとり・森見登美彦氏。ヘタレ男子大学生を書かせたら右に出るものはおらず、その端麗かつ剽げた文章に魅了された人も多いはず。三次元の人生に見切りをつけた人なら、ときおり訪れる黒髪の乙女との接触に、こういった思いを抱くでしょう。今でこそ三次元と生業をともにしている私ですが、学生時代はこんな感じでした。

森見氏の言い回しにはニヤニヤが止まらないものも多く、上記『太陽の塔』でのこのコトバも大好きです。

質素でつつましい風貌の中にも人を惹きつける何かがあるらしく、街中で少し目を離すと、彼女は十条自転車保管場に連れ去られてしまった。

人間かと思わせますが、まるで彼女のように扱っている主人公愛用の自転車「まなみ号」のことです。何というか、文章のセンスにあふれていますよね。

他にも、アニメ化もされた『四畳半神話体系』にはこんな文章があります。

ひとたび占いを乞うたが最後、怪しい老婆の影が常住坐臥つきまとうようになり、やることなすことすべてがうまくいかず、待ち人は来ず、失せ物は出ず、楽勝科目の単位を落とす、提出寸前の卒論が自然発火する、琵琶湖疏水に落ちる、四条通りでキャッチセールスに引っかかるといった不幸に見舞われる。

街角の怪しい占い師についてですが、この言い回しが本当におもしろい。口に出したくなる魅力があります。

おそらくリア充な生活を送ってきた人には全く理解できないと思いますので、表に出せない暗黒時代を過ごした人や、悶絶するほどの中二病を患っていた人にのみ、オススメします。

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