いまこの時代に、独立して古本屋を経営するということ。
ずっと、古本屋を経営したいと思っていました。
それこそ小学生の頃から漫画を描き、中学・高校の頃には中二病もかくやとの勢いで暗黒小説を書いていました。読むのも書くのも好きで、大学時代には本屋で4年間アルバイトもしていました。本当に本が好きなんです。
その思いは今も変わらず、独立して本屋を経営してみたいなぁと頭の片隅で考えています。
このブログエントリー「脱サラして小規模な古本屋を開業した男の顛末」では、ブログ主の知人が脱サラして古本屋を開業し、準備期間を含めた約1年後には廃業してしまったという物語の顛末までを、創作を織り交ぜて書かれています。
正直、泣きました。
具体的にはこのシーンで・・・
本を見るのが嫌になりはじめる
更に数カ月後、あなたは当初のやる気を失いつつあります。
数字に追われ、自分の時間もほとんど取れません。
そもそも、本が好きで始めたはずの仕事なのに、全く本を読まなくなってしまいました。
本が好きだから、本屋を経営してみたい
よくわかる発想ではありますよね。でも、本好きを仕事に古本屋を始めて成功した人の話はあまり聞きません。本が好きで始めたはずの仕事のせいで、大好きな本を読む時間がなくなった、こんな悲しいことはありません。この話を読むまで、私は漠然とこんな風に考えていました。
・好きな本を読みながら、お客さんを待っていられる。
・本好きなお客さんとしゃべりながら、のんびり仕事ができる。
・店を開けてさえいれば、お客さんはやってくる。
まったく、「経営を舐めるなよ!」との叱責が飛んできそうです。私が楽観的に思っていたこと全てが叩き壊されました。
話中には、具体的な「数字」がよく出てきます。ひとりで仕事をするとしての、古本屋でひと月に100万円売るためのシミュレーションがなされています。はっきりいって、絶望的でした。私には絶対、古本屋は運営できないな、と。
以前下北沢の本屋・B&Bで行われた「まちの本屋さん」というイベントで、今この時代に古本屋ないしは小規模な本屋を経営できているほとんどの店は、先代などから土地・店舗を引き継いで営業をしているところばかりである、という話がありました。「賃料」という固定費がいかに本屋営業に深く関わっているかがよくわかりますね。
古本屋経営に憧れはありますが、大好きな本を読む時間を確保するためにも、少なくとも今は諦めておきたいと思います。おもしろいので、ぜひ読んでみてください。