この変化の早い時代に、下積みに10年を費やすのは危険すぎる。

この変化の早い時代に、下積みに10年を費やすのは危険すぎる。

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入社間もなく退職していく新入社員

※この記事は2014年4月21日に掲載した同名の記事を編集したものです。

以下の記事を読みました。

株式会社ヨドバシカメラ の人事ブログ:新入社員が退職した。(前編)| 【就活ならリクナビ2015】新卒・既卒の就職活動・採用情報サイト

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リクナビについては以前、下記のエントリーで書かせていただきました。↓

就活生を摩耗させる「リクナビ」という社会の害悪 - ヘンテナブログ就活生を摩耗させる「リクナビ」という社会の害悪 – ヘンテナブログ

※この記事はH26.4.3に『リクナビのトップで、空想上の「あなたに似た同期」の尻を追いかけ回すグラフを表示する意味とは』から改題しました。つい最近こんな記事を…

まぁ、この記事を読んでいただければリクナビがいかに新卒採用でヒドいことをしているのかよくわかると思いますが、そのリクナビ2015に求人登録している大手家電量販店『ヨドバシカメラ』の求人要項ページにある1項目“人事ブログ”に、とても読ませるエントリーが掲載されているということでネットを中心に話題を呼んでいます。

この変化の早い時代に、下積みに10年を費やすのは危険すぎる。

まずはトップで紹介しているリンク先に目を通していただければと思いますが、話題を呼んでいる理由は、入社後10日で退職希望を出してきた新入社員への対応が素晴らしいというものです。

毎年4月になると、ネット上で「今年も入社3日で新入社員が来なくなった。」やら「仕事を残して定時で帰った。」やら先輩社員にあたる人からの愚痴書き込みが増える傾向にあります。共通しているのは「最近の若者は根性がない、けしからん!」という憤りのようなものだと思いますが、もし辞める理由が「身の危険を感じること」であれば、すぐにでも辞めた方がいいと私は思います。

※参考過去エントリー↓
一度壊した体と心は簡単には元に戻らない。身の危険を感じたら会社なんてすぐ辞めよう。

「けしからん!」ではない、「働く幸せ」に対する想い

今回取り上げた記事を簡単に説明すると、

“ヨドバシカメラに入社した新入社員が2週間の新人研修を終える間もない10日で退職を願い出たが、その退職理由が「この会社は自分に合わないと感じた。販売はアルバイトの延長のような仕事、ずっと続けていく気にならないし、自分に向かない。地域の人たちに貢献したいから公務員を目指します。」というものだったので、この記事を書いている採用チーム・山下敬史さんが「そんなんじゃダメだ!」と感じ、自分なりの「働いて幸せ」を実現するための考え方を話した。”

というものです。

この変化の早い時代に、下積みに10年を費やすのは危険すぎる。

山下さんの対応は、「販売はアルバイトの延長のような仕事。ずっと続けていく気にならないし、自分に向かない」という新入社員の退職理由に対してその社員が好きなゲームを引き合いに出し、『楽しさを理解するには練習と経験が必要だよな。ちょっとやってみただけで「つまらない」とか「自分には向いていない」っていうのは、早すぎるよな。』と諭すものでした。

そして、

22歳で入社・定年は60歳として約40年働くと仮定。さらに社会人にとって入社後の10年を、大学で言う1年生に相当すると仮定する。大学で野球部に入ったら、最初は球拾いやグラウンド整備、筋トレばかりで楽しいどころかキツいだろうが、野球が好きで、「うまくなりたい!」という情熱がある部員は、そのキツさの先に自分の成長があることを具体的にイメージすることでそれに耐えられる。なんとなく野球部に入った人はとても耐えられない。『野球つまんね。サッカー部に行こう。』と思ってしまう。そしてその先はサッカーだろうがバスケットボールだろうが同じだ。

最初からいきなり上手にできたり、楽しいなんてことは滅多にない。本当の楽しさにたどり着くには、努力と情熱が必要だ。転職を繰り返す人は、これと同じ。楽しさにたどり着く前に職を変えてしまうから、幸せになれない。

と説きます。

この新入社員はけっきょく退職しましたが、辞めると言い出したときの逃げるような様子から、前を向いて一歩踏み出すようなところが見えたそうです。

この変化の早い時代に、下積みに10年を費やすのは危険すぎる。

いささかキレイにまとまり過ぎているきらいはありますが、その対応は決して「けしからん!しかってやる!」といったウザいものではなく、以前はこの新入社員のような考え方だった山下さんの当時の思いを踏まえつつ、諭すように助言されていて非常に好感が持てます。

賛同はできないが、真摯な対応に心魅かれた。

この記事に対する私の思いは、“賛同はできないが、真摯な対応に心魅かれた”というもの。入社して10日で退職していった人に対し、「同じ会社で勤めた仲間であるから不幸にはなってほしくない。」と思えるのは素晴らしいなと心底思います。当時の自分と重ね合わせていたのかもしれませんね。自分なりの「働いて幸せ」という考え方を、押し付けるわけではなく伝えるのは難しいことでしょう。少なくとも一理あるとは思えました。
※ちなみに、この辞めていった新入社員の「漠然と転職して公務員になる」という考え方はただの逃げだと思いますので全く賛同しません。

この変化の早い時代に、下積みに10年を費やすのは危険すぎる。

ただ、私はこの考え方に「賛同」はできませんでした。ただこれは、何度か転職をした上でフリーランスになったある男の経験に基づくものなので、私の考え方も誰かに押し付けるつもりはありません。ひとつの意見として受け取ってもらえれば幸いです。

まず、前提条件に納得がいきませんでした。「60歳で定年」であったり「10年を大学1年に相当すると仮定する」ことであったり。販売職を否定するわけではありませんが、販売という仕事の本当の楽しさにたどり着くのに「努力」と「情熱」が必要だとしても、10年は長過ぎやしませんか?この変化の早い時代で、10年を費やす価値があるかはもっと早く判断する必要があるのではないでしょうか。

私自身は、10年たたないと面白さがわからない仕事に価値はないと思います。下積みを重視する人は多いと思いますが、仕事が機械にとって代わられるこの時代で「下積み」が意味を成すことが減ってくるのは間違いないでしょう。面白さを知るのには、せいぜい1年もあれば十分ではないでしょうか。

この変化の早い時代に、下積みに10年を費やすのは危険すぎる。

私はあるカフェチェーン店の店長職に就いていたことがあります。ヨドバシカメラの販売職とは少し違うかもしれませんが、接客業という意味では共通ですし、そのキャリアアップにも似たところはあるんじゃないかと思います。

販売職のキャリアアップって、先が明確に見えているんですよね。例えば、スタッフ→店長代理(または副店長)→店長→マネージャー→エリアマネージャー→統括マネージャーなど。途中で本社スタッフになる道もあったりするかもしれません。

キャリアステップが明確に見えているのは正直善し悪しだと思うんですが、意外と本社と現場はスッパリ切られていることもめずらしくありません。現場で働く人は店長がステップの最上級であることも少なくないでしょう(スタッフ全員がマネージャーになれるわけではありませんから)。そうなると、わりと早い段階で自分が将来が見えてしまうとも言えるんじゃないでしょうか。つまり「ああ、店長になれてもあの程度か。」といった感じで。

私が店長をしていたときは、すでにキャリアの行き詰まりを感じていました。もちろん仕事に「情熱」が持てれば、その先のマネージャーや本社勤務を狙うことも不可能ではなかったでしょう。

この変化の早い時代に、下積みに10年を費やすのは危険すぎる。

これは過去のエントリーにも書いたのですが、私にはロールモデルとなるような憧れる上司がいませんでした。ですので「マネージャーになりたい!」という強い思いはついぞ生まれなかったんですね。「会社を変えてやる!」なんて思いもありませんでしたし、そうなってしまうともはや『接客はアルバイトの延長のような仕事。ずっと続けていく気にならない』としか感じられなくなってきます。それに気付くのに、大した時間はかかりませんでした。他にも理由はありましたが、結局2年もたずして退職する運びとなりました。

10日で辞めていった新入社員の、本当の理由は本人にしかわかりません。確かに10日では、何も判断できないのではないかと思います。しかし、例えばその2週間の新人研修で、自分の将来を重ね合わせてしまえる役職の店長やスタッフと出会っていたとしたら、もうその時点で悲観してしまったのかもしれませんね。

人間は環境によって変わる部分が本当に大きいと思います。それこそ、個人の努力や才能なんかよりも。ですから、尊敬できる人やロールモデルになる人が会社内にいなければ、私はさっさと辞めてしまった方がいいと思っています。この新入社員がそうだったのかはわかりませんが、採用チームの山下さんのコトバに触れて、何か自分なりの考え方を身につけていればいいなと願っています。

この変化の早い時代に、下積みに10年を費やすのは危険すぎる。


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