岡田将生 × 濱田岳『偉大なる、しゅららぼん』 過ぎたる力は災いを呼ぶ

偉大なる、しゅららぼん

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現実に、ひと匙のファンタジー

原作小説の著者・万城目学(まきめまなぶ)は、デビュー作から追い続けている数少ない作家のひとり。デビュー作の『鴨川ホルモー』は私の生まれた京都が舞台ということもあり、楽しませてもらいました。しかも卒業した京都産業大学も作中に取り上げられていて、なんだかとてもワクワクしたことを覚えています。

ちなみに山田孝之が主演で、相方にはしゅららぼんにも主演として出ている濱田岳なんですよね。このふたりが出ている映画に失敗はないと思っているので、安心して観れました。鴨川ホルモーも傑作ですよ。


その後に続いて出版した小説、「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」も映像化され、万城目さんは一気にスターダムへとのし上がりました!映像化した情景が浮かびやすい作風であることもあり、どこれもこれも違和感無く見られるのがおもしろいですね。


パワースポット・アドベンチャー! 

そして今回は、新刊「偉大なる、しゅららぼん」の映像化。発表の時点で主演が濱田岳と知り、この映画の成功を確信しました、勝手に。

何気に、

「鴨川ホルモー」の舞台は京都。
「鹿男あをによし」の舞台は奈良。
「プリンセス・トヨトミ」の舞台は大阪。

そして、「偉大なる、しゅららぼん」の舞台は滋賀

どうやら万城目さんは、近畿地方を占拠する気のようです。
次は兵庫か、和歌山か、はたまた三重県か!?

しゅららぼんは舞台が滋賀ということもあり、誰もが知る滋賀県の象徴「琵琶湖」をメインのスポットとして扱っています。パワースポットアドベンチャーというキャッチコピーを付けられたことにも頷けます。

摩訶不思議なストーリー

偉大なる、しゅららぼん – Wikipedia
滋賀県湖西地方に住んでいた日出涼介は、「湖の民」としての力を与えられた者として修行をするため、湖東地方にある城下町石走にある日出本家で過ごすことになった。

本家では本丸御殿から舟で学校に通い、高校では周りと違う赤い制服を着させられ、日出本家の跡継ぎで変わり者の淡十郎に振り回されるなど現実から離れた生活を送る。中でも同じクラスの棗広海とは入学初日からトラブルを起こしてしまう。

偉大なる、しゅららぼん

実は日出家と棗家は琵琶湖のご神水によって特殊な「力」をもつ一族、1000年にもわたり、琵琶湖を舞台にいがみあっていた因縁の関係だったのだ。

そんな中、淡十郎は同じクラスの速瀬に恋をする。わざわざ美術部にまで入って近づこうとするが、彼女が好きだったのはよりにもよって棗広海だった。恋破れた淡十郎は怒りのあまり、棗広海を、そして棗家を石走から追い出すことを決める。

偉大なる、しゅららぼん

かくして、力で力を洗う戦いの幕が上がる中、日出家と棗家はある力によって運命を狂わされていき、思いもよらぬ存亡の危機が訪れる。

琵琶湖周辺でのみ力を発揮できる「湖の民」という設定がおもしろい!

マキメワールドのおもしろさは、「現実世界にひと匙のファンタジー」という絶妙な塩梅で混ぜ込まれた摩訶不思議要素が核を成しています。どの作品もリアルな現実をモチーフにしているんですが、ほんのちょっと不思議な力を持つ人がいることで絶妙なおもしろさが醸し出されるんです。

偉大なる、しゅららぼん

ハリーポッターや指輪物語のようなバリバリのファンタジーは全く肌に合わない私ですが、この塩梅はとても心地よいんですよ。

「友情」「家族愛」「恋心」

こんな突拍子もないファンタジーを練り込みつつも、マキメワールドで描かれるのは「友情」「家族愛」「恋心」といった、誰もが悩み、惑い、求める普遍的な事柄です。

前作の「プリンセス・トヨトミ」では、生き残った豊臣秀吉の血を受け継ぐ姫という重要なキャラクターが出てくるにも関わらず、もっとも心に刺さるのは「父と息子」の対話シーンだったりするんです。これには号泣させられました。

もちろん今作「偉大なる、しゅららぼん」にもそういった要素が多分に含まれています。

偉大なる、しゅららぼん

「友情」「家族愛」「恋心」・・・。

それぞれは単純で平凡なキーワードですが、驚くべきことに物語の黒幕となる人物がとった行動に全てが集約され、その悲哀にみなさんは涙することになるでしょう。そして、「湖の民」が持つこの過ぎたる力が、災いを呼んでしまうことにも。

こんなふざけたタイトルとストーリーの映画で泣かされるなんて、誰も思わないでしょう。でも、どんな突拍子もない物語にでも「人間」が出てくる限り普遍的な事柄は必ず顔を出します。どんなに力を持とうが、結局は人間。

我々がいくら現実を離れたファンタジーを夢見ても、心揺さぶられるのはそういった普遍的な事柄なのでしょう。しゅららぼんを観て、あらためてそんなことを感じました。

意外に泣ける、こんな作品を初デートなんかでぜひ。

追記:
ちょい役で出演している私立恵比寿中学の柏木ひなたが可愛すぎて悶絶しそうでした。棗家の人間になりたい。
柏木ひなた


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