映画『グランド・ブダペスト・ホテル』監督こだわりの映像美で描くキュートな人間ドラマ

グランド・ブダペスト・ホテル

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うっとりするウェス・アンダーソンの映像美

第64回ベルリン国際映画祭審査員グランプリや、第87回アカデミー賞の4部門などを受賞したことで話題の映画『グランド・ブダペスト・ホテル』

ウェス・アンダーソン監督はその独特の表現方法が話題になる監督ですが、実は作品を観るのはこれが初めて。あまりに美しい映像や美術、シンメトリーな画面構成…他の映画ではなかなか観られない美しさをリアルに感じました。

グランド・ブダペスト・ホテル

豪華すぎるキャストも紹介しておかなければならないでしょう。

レイフ・ファインズ、トニー・レヴォロリ、F・マーレイ・エイブラハム、マチュー・アマルリック、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、ハーヴェイ・カイテル、ジュード・ロウ、ビル・マーレイ、シアーシャ・ローナン、レア・セドゥー、ティルダ・スウィントン、トム・ウィルキンソン、オーウェン・ウィルソン・・・

豪華すぎるでしょ!!映画中、少ししか出てこないようなチョイ役にも有名な役者が採用されていて、その美しい映像と相まって、非常に贅沢な印象を抱きますね。

それでは、まずあらすじからご紹介していきましょう。

あらすじ

1932年、品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)は、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。しかし、常連客のマダムD(ティルダ・スウィントン)が殺されたことでばく大な遺産争いに巻き込まれてしまう。グスタヴは信頼するベルボーイのゼロ(トニー・レヴォロリ)と一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡り……。

Yahoo!映画より

滑稽さとミステリーの融合

とにかくテンポがよく、物語はサクサクと進んでいきます。あまりにも登場人物が多いので見分けられるかめまいがしそうですが、それぞれの個性が強すぎて、混じることはありませんでした。

主人公のグスタヴが常連客のマダムDの死を巡って遺産相続に巻き込まれ、あらぬ疑いをかけられるも、愛弟子のロビーボーイ・ゼロとともに疑いを晴らすべく奔走するのがメインの物語。

おもしろいのはこのふたりの掛け合い。上司と部下の関係ではありますが、時折上司に強く出るゼロがかわいらしく、まるでコメディを観ているよう。

グランド・ブダペスト・ホテル

特におもしろいのは、終盤のスキーシーン。この演出が実にチープなんです。といってもこれは悪い意味ではなく、絶妙なチープさが映像と合っていてかわいいんですよ。一応スリリングなシーンではありますが、要所要所に笑いが練り込まれていて飽きさせません。

赤を基調とした、美しい世界観

グランド・ブダペスト・ホテル

このカットが映画を象徴しています。実に美しい赤色ですよね。「グランド・ブダペスト・ホテル」では赤系統の色がキーに使われていて、濃い赤から淡いピンクまでアクセントになっています。

雪山がメインなので背景が白いことも多いのですが、その白にもいろんなパターンがあり、どこかくすんだ感じのホテルの色合いといい、実に赤が映えます。色味のバランスはセンス抜群ですね。

グランド・ブダペスト・ホテル

シュテファン・ツヴァイクの人生がモデル

公式ホームページによると、この映画はシュテファン・ツヴァイクという作家の人生を元に作られた映画であるとのことです。現在ではその名前を聞くことはほとんどありません。1930年当時はかなり著名だったらしく、多数の著名人と交流し、戦争に反対する活動をしていたらしいですね。

主人公のグスタヴは、まさにそのツヴァイクをモデルにしているそうです。一応この映画はフィクションなのですが、ロビーボーイのゼロにはウェス・アンダーソン監督自身が投影されているとの話もあります。

こういったメタファーは他にもあって、そもそも舞台となるブダペストはハンガリーの首都ですよね。多民族国家として有名なハンガリーは、ホテルといういろんな人間が訪れる場所のメタファーになっています。

ハンナ・アーレントの著作「イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告」やイレーヌ・ネミロフスキーの「フランス組曲」を、ナチスへの反応を参考にしているそうですよ。

このことからもわかるように、当時の時代背景についてはかなり細かくリサーチされている様子。国内はもとより海外でも絶賛されてる本作は、どこかフィクションチックでありながらもリアリティを持たせているところが評価されているんですね。

映画評論家の町山智浩さんが映画について解説した『町山智浩が語る『グランド・ブダペスト・ホテル』の元ネタとテーマ』に詳しいので、映画を観て興味が湧いたらぜひ読んでみてください。

甘さの中に、少しの毒

全体的にコメディ要素の強い喜劇ではあるのですが、突然グロテスクな演出が施されているのでご注意を。といっても本当に脈絡なく急に出てくるので避けようがないのですが。

まぁブラックコメディ的演出なのでそこまでスプラッタではありませんが、下の画像的な事があったり、急に生首が出てきたりするので耐性のない人にはオススメできない映画かもしれません…。

グランド・ブダペスト・ホテル

とはいえ、これほどユーモラスでハートフルなかわいい映画はそうそう観られません。とりあえず私のツボにピッタリとハマりましたので、ウェス・アンダーソン監督の映画を巻き戻って観ていこうと思います。

キッチュさに興味があるなら、ぜひ観てみた方がいいですよ。オススメです。


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