SWITCHインタビュー【東出昌大×朝井リョウ】器が大きくなるってことは、思考が止まること。

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朝井リョウの話に、ガツーン!と衝撃を受けた。

私はNHKのEテレ愛好家です。社会問題に切り込むハートネットTVやピタゴラスイッチはよく見るんですが、何より面白いのがこの『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』

お互い異なる分野で活躍する達人たちが語り合うクロスインタビュー番組で、なかなか他のテレビ番組でお目にかかることのできない組み合わせでの話が聞けるんです。

例えば昨年11月29日は「ミュージシャン・椎名林檎×作家・西加奈子」の組み合わせ。椎名林檎がここまで語る番組は他にありません。同じく昨年12月28日には「美輪明宏×中園ミホ」の対談が放映されました。NHKの朝ドラ「花子とアン」絡みのおふたりですね。美輪さんのお話には心を打たれること然りです。

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ちなみに1月31日の放送では「中井貴一(俳優)×糸井重里(コピーライター)」という、面白くならないわけがない対談が実現します。これは非常に楽しみです。

それで先ほど、録画していた1月10日放映の「東出昌大×朝井リョウ」の対談を見たのですが、朝井さんの考え方に衝撃を受けました。それはもう、ガツーン!と頭を殴られたような衝撃です。大きくふたつあるので、それぞれについて以下にまとめてみました。

※ちなみにこのふたりは映画「桐島、部活辞めるってよ」つながり。朝井リョウさんは原作小説の著者です。

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声を大にして言いたい思いは、幸せより怒りの方が多い。

ふたつめは、朝井さんの書く原動力になっているのが「怒り」であるということ。
これは東出さん、朝井さんおふたりともがエゴサーチをしているという笑い話から始まりました。
※エゴサーチ:ソーシャルメディアなどで自分の名前・著作などを検索し、評価を確認すること。

朝井さんが話した言葉を正確になぞっているわけではありませんが、大枠で以下のようなことを語っていました。

「人の幸せを願っている人と、人の幸せを願わない人。それぞれ同じ数の人がいるとしたら、きっと声を上げるのは幸せを願わない方の人だ。…幸せを願う人は黙ってみているだけ。良いと思った人は特に書こうとは思わない。」

「声を大にして言いたい思いは、幸せより怒りの方がきっと多い。この人は何に怒っているのか、それをかき分けていくと今の世の中に足りないものが見つかるんじゃないだろうか。だから、例え嫌な評価がされていたとしても、エゴサーチは続ける。」

私は「喜怒哀楽」の4感情の内、「怒り」は不要なものだと考えていました。といっても愚痴や恨みから派生する不健全な怒りは不要だという話なのですが。普段、社会生活をしていて、怒りが何かを良いものを生むことってあるんでしょうか。怒りから生まれるものって、不健全なものばかりではないかと最近つくづく思います。

しかし、いわゆるクリエイターはそうではないのかもれません。世の中に溢れる健全・不健全な怒りという感情は、要するに不満の表出。それらを拾い上げて作品に昇華することで、その怒った人たちを癒やすこともあるのでしょう。

私は書き物の仕事をしていながら、この「怒り」という感情を無視してきました。これは自分が怒ることや、怒っている人に関わることでロクな目にあったことがないことから来るものですが、少なくとも「健全な怒り」に対しては、積極的に向かい合う必要があるのかな考えるに至りました。

次は「健全な怒り」とは具体的に何なのかについて考えなければなりませんが…。

器が大きくなるってことは、思考が止まること。

もうひとつは、この言葉。
番組では以下のようなことが語られました(書き起こしではありません)。

「器が大きくなるってことは、思考が止まること。だから自分は、エゴサーチで怒りを汲み取ったり、文章を書いたりすることで小さな部分が気になり、器を小さいままにしている。思考停止しなくて済むんだ。」

これには一時茫然自失しました。大人になっていろんな出来事を受け入れることができるようになり、些細なことでは揺らがない“器の大きい人間”になることが当たり前なんだと思い込んでいましたから。

些細なことをまるっと受け入れること。何とも心の広い人間だと思いがちですが、逆に言えば、それが正しいことなのか何も考えていないのと同じかもしれません。つまり、思考停止しているのと同じ。

あえて器の小さいままでいる。常に自分の頭で考え、自分の頭で判断する。考えることをやめない(やめたくない)朝井さんの熱い想いがインタビューから伝わってきて、自分のアイデンティティが揺らぎました。

もちろん朝井さんの考え方が「正しい」ことかはわかりません。それこそ考え方は人それぞれですし。

ただ、私は思考停止しない生き方に憧れます。人間が死ぬのは体が動かなくなったときではなく、考えるのをやめたとき。

思考停止するくらいなら、器なんて小さいままでいい。そんな朝井さんの考え方に、一考の価値はあると思うんです。

いいクロスインタビューでした。機会と手段がある方はぜひご覧になってみてくださいね。


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