スプツニ子! 『はみだす力』 ハッピーなフェミニズムを探して

アーティストのスプツニ子!さんを知ったのは、人と人を繋ぐマッチングサービス・コーヒーミーティングで出会った方に「面白い本があるよ」とオススメされた、この本がきっかけでした。

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名前からして変なこの女性。いったい何者なのかというと、アーティストという肩書きが実にふさわしい。1985年に東京で生まれ、現在はボストン在住。28歳という若さでマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教を勤めていらっしゃいます。

他にも経済産業省クールジャパン官民有識者会議委員だったり、 世界経済フォーラム(ダボス会議)Global Shapers Community のメンバーだったり、 神戸芸術工科大学大学院の客員教授だったりもする、名前に負けないほどのインパクトがある経歴ですね。

彼女はアーティストといっても絵を描いたりするわけではなく、音楽やデバイス・映像制作をメインとした活動を行なっています。なかなかコトバでは説明しにくいので、you tubeにアップされている映像作品をまずはご紹介しましょう。

Sputniko! – The Moonwalk Machine – Selena’s Step/スプツニ子! 「ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩」


Sputniko! スプツニ子!- Crowbot Jenny / カラスボットジェニー – YouTube


Sputniko! – Google Song スプツニ子!「グーグルのうた」 – YouTube


Sputniko! – Skype Song / スプツニ子!「スカイプのうた」 – YouTube


スプツニ子!「寿司ボーグユカリ」/ Sputniko! – Sushiborg Yukari – YouTube


Sputniko! – ミクシのうた (The Mixi Song) – YouTube

・・・。

あまりに奇抜すぎてコトバになりませんかそうですか。実は私もです。

良いのか悪いのかという判断基準は、そもそもふさわしくないのかもしれません。今回読んだ著書のタイトル通り、「はみだす力」を存分に発揮している作品ばかりだと思います。 個人的には「ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩」が大好きですね。

※ちなみにこの作品に関しては、以前に一度ブログ記事を書いていますので、よろしければどうぞ。また、冒頭の友人が書いているブログもご紹介しておきますね。↓

東京都現代美術館 ”うさぎスマッシュ展”で、自分の凝り固まった固定観念に「スマッシュ!」されてきました。 – ヘンテナブログ

「はみだす力」スプツニ子! – 今日から私は!!

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「自由に生きる」ヒントが満載!

さて、今回はスプツニ子!さんの人となりをメインに紹介したいわけではなく、著書「はみだす力」について書きたいと思います。アーティストの語るコトバは抽象的だったり知らない単語ばかりで難しそう・・・と思われるかもしれませんが、この本に専門用語はほとんど出てきません。

スプツニ子!さんの両親は数学者なことからもわかるように、彼女自身は完璧な理系女子ですが、語られるコトバは平易なものばかり。読解だけなら小中学生でも可能でしょう。専門用語を使って高い目線から語りかけてくるようなイラっとする自己啓発書は腐るほどありますが、一線を画していますね。表紙も「理系女子」感は感じませんし。

そうそう、この本は自己啓発書もしくはビジネス書として読むのが適しています。ひとつひとつの項目ごとに『はみだすヒント』が書いてあり、全部で32個あります。これは自己啓発書なんかでよく見かける形式ですよね。例えば『「みんなと一緒」じゃなくていい』や、『普通を疑う』といった具合です。この本を読むことで、常識という枠から「はみだす力」を得ることができます。

全ては紹介できませんが、いくつか私が気に入った『はみだすヒント』を書き綴ってみようと思います。もし気に入ってもらえたら、ぜひ著書を読んでみてください。下手な自己啓発書を読むより、よっぽど為になることを保証しますよ。

「みんなと一緒」じゃなくていい。

横並び教育が染み付いている日本では、「みんなと一緒」が最善とされる。子どもは自由だなんてフィクションなんだということがよくわかる。

「答え」をたくさん見つける。

長い間同じ場所にいると、今いる場所のルールが絶対だと思い込んでしまう。世界は広い。自分に合わないなと思ったらはみだしていけばいい。答えはひとつじゃない。

「普通」を疑う。

「普通は〜」とか「常識的に〜」で始まるコトバは、信用してはいけない。それが普通である条件を説明できないのであれば尚更。

好きでもない相手に嫌われたって、気にしない。

絶対にわかりあえない人って、いると思います。そういった人と無理にわかり合おうとする必要はない。大体、たいして関わりあいになりたくないような人にどう思われようが、知ったことではないでしょう。

今いるところが世界のすべてじゃない。

今いる学校がいやなら行かなくていい。今勤めている会社がいやなら辞めればいい。少なくとも、世界はそこにしかないわけではない。それを理解するだけでも自殺は減るんじゃないだろうか。

おもしろいものが集まる場所に行く。

人間は努力によってではなく、環境で変わる。自分にとって毒にも薬にもならないような環境では何も変われないし、何も産み出せない。ここにいちゃダメだと思ったら、すぐに環境を変えた方がいい。

経験に使うお金は惜しまない。

本当にそんなモノが必要ですか?そう自分に言い聞かせた方がいい。モノより経験。お金を払ってでも、身をもって体験することに意味がある。

信じられる自分になる。

自分に自信がない人を、人が信用してくれるはずがない。何よりも自分が熱中できることに取り組むこと。そうすることで自信は湧いてくる。

チームを作る。

人がひとりでできることは限られている。だからといってどこかに属さなければならないわけではない。コラボレーションすればいい。チームをつくればいいのだ。

「わからないもの」を受け入れる。

どうしても理解できないことはある。納得いかないこともある。しかしそんな「わからない」ものが現実に存在しているならば、受け入れる。無理に理解しなくてもいい。だが、否定してはならない。

やると宣言する。

宣言することは大事。人間の意思など自分で抱えているだけでは長く持たない。まわりにやると決めたことを公表するくらいがちょうどいい。

やりたいことをやるために、お金もちゃんと稼ぐ。

「お金なんてなくてもいい」というのはキレイごと。自分は貧乏でいいかもしれないが、成果に対して報酬があるのは当たり前のこと。アーティストが稼いではいけないハズはない。

前進のない「楽しい今」は捨てる。

ぬるま湯の幸せは永遠には続かない。ぬるま湯に慣れてしまうとなかなか元には戻れない。ゆるい幸せがだらっと続いているとしたら、例え楽しくても捨てた方がいい。

願いは口にする。

やると宣言することと同様、願い事は口にする。コトバの魔力は侮れないもので、一度発するとチカラを持ち始める。積極的に願い事をコトバにすることは、意識に根付かせるためにも有効だ。

どうでしょう、ひとつくらいは気に入ったコトバはあるでしょうか?

この本で提唱されている概念は、正直そんなに目新しいものではありません。しかし、波瀾万丈な人生を「体験」してきたスプツニ子!さんのストーリーに絡めて各項目は記されています。ただ「コトバ」の羅列を読んでいるのとはワケが違う納得感を得られると思います。

ハッピーなフェミニズムを探して

最後に、とても感銘を受けた項目があったのでご紹介して終わりにしたいと思います。

最近小保方さんの件もあって、「リケジョ」というコトバが話題になっていますね。私はマスコミが名付けたであろうこの呼び名が大嫌いなのですが、現実として理系の女性研究者がめずらしい存在であることを皮肉にも示しているとは理解しています。

スプツニ子!さん自身も女性の研究者としてチヤホヤされた経験から、はからずもジェンダーについて考えることが増えたそうです。

現代社会は「テクノロジー」よって変化しています。ソーシャルメディアによってコミュニケーションの仕組みは大きく変わったし、医学の進歩によって生命の在り方も変わっていっている。スプツニ子!さんが言うには、バイオテクノロジーは生殖や生命にかかわるような分野なのに、そもそもサイエンスにたずさわる女性が少ないことに危機感があるそうです。

本文中で語られているように、女性が生理なんて野蛮(!?)なものにまだ悩まされているのは、女性のサイエンティストが少ないことに起因しているかもしれません。テクノロジーは万人のためになるように進化しているように見えて、実はその社会や政治、宗教的な要素に大きく影響を受けている。『サイエンスに関わる分野に女性が少ないと、女性の問題がうまく解決されない』というのは、あながち間違っていないかもしれません。

普段あまり意識していないようなことに気付かせてくれるおもしろい本ですので、ぜひお買い求めください!

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