『”働きながら社会を変える”入門 w/一般社団法人GrowAsPeople』参加レポート!

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”働きながら社会を変える”入門 vol.1 w/一般社団法人GrowAsPeople | Facebook
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”働きながら社会を変える”入門 w/一般社団法人GrowAsPeople

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働きながら社会を変える

マイクロファイナンスと教育のLIVING IN PEACE(LIP) | ホーム

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今回のイベントを企画されたのは「Living in Peace」という特定非営利活動法人。子どもの貧困をなくすことをモットーに活動されている団体で、“働きながら社会を変える”の言葉どおり、所属されている方のほとんどは会社員として、それぞれ仕事を持ちながら活動されているということです。

そんなLiving in Peaceがなぜ今回、一般社団法人GrowAsPeopleの角間代表を呼んでのイベントを企画したのか。

非営利型社団法人GROW AS PEOPLE

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一般社団法人GrowAsPeopleは、主に夜の世界の仕事(風俗等)で働く女性達を対象として、相談・自立支援・社会参画創造事業といった取り組みをしている非営利型社団法人です。社会問題に取り組んでいるという共通点はあるものの、問題となる対象にズレがありますよね。

実は、日本の貧困率は先進国の中でもアメリカに次いで高い水準であり、子どもの7人に1人は貧困状態であると試算されています。こういった社会問題解決に取り組んでいる企業・団体・個人はたくさんありますが、問題の一つにそれらの名前や活動が助けを必要としている人自体に行き届いていないことがあげられます。

それに対し、Living in Peaceはこういった社会問題と向き合う人たちを、必要としている人たちにまで伝えたいという想いをテーマに、今年は活動していきたいと考えているそうです。

そこで栄えある第1回の客人に迎えられたのが一般社団法人GrowAsPeopleの角間代表だったんですね。確かに「子ども」と「女性」とターゲットは違いますが、そもそも子どもは女性から生まれてきます。子どもの貧困には当然家庭環境が大きく関係してきますが、風俗産業に従事している女性にはシングルマザーが非常に多い現状がある。決してつながらない線ではない。角間代表を呼ばれたのは意義のあることだったと思います。

何かと目を反らされがちな風俗産業ですが、驚く程間近に存在しています。「大人の女性の20人に1人が風俗嬢経験者」と言われているからです。なのに、タブー視されたりメディアでは批判的な報道しかされなかったり、まともな情報が私たちには入ってきません。

そんな第一線で活躍する角間代表から、知られざる風俗産業の実態を聞いてきましたのでレポートにしました。特に、風俗に関わったことのない「女性」に読んでほしい内容になっていると思います。よろしければ当ブログや、上記に挙げた団体にご意見や感想をお願いします。

 「風俗」について、一番知る機会が少ないのは?

 

まず最初に、「風俗」のことを一番知らないのは誰だと思いますか?

風俗で働いている女性はおそらく一番事情に詳しいでしょう。風俗で働いている男性も当然ながらその次に詳しいでしょうね。その次は風俗を利用したことのある男性でしょうか。もちろん客側の視点だけですが、それなりに分かりそうです。

では利用したことのない男性は?利用しないまでも、風俗に関する知識はあるんじゃないでしょうか。例えばソープとヘルスはどう違うのか、ホテヘルとデリヘルはどう違うのか、そもそも風俗と水商売はどうちがうのか。全ては知らないにしろ、知る機会もありますし、まったく知らない男性はそういないと思います。

つまり、風俗のことを一番知らないのは「風俗に勤めたことのない女性」なんですね。ひょっとすると、一生関わりのないまま死んでいく人がほとんどなのかもしれません。風俗とはなんぞや?を世間に理解してもらうには、こういった女性に知ってもらう必要があるわけですね。

そこでGrowAsPeopleが企画したのが、実際に風俗の世界を見てみよう!というスタディツアー。といってももちろん風俗嬢を体験してみようなんてものではもちろんなくて、現役の風俗嬢に直接インタビューをして「おもしろいこと」「怖かったこと」「むかついたこと」などリアルな話を聞いてみようというものです。こういったスタディツアーはおそらく日本初でしょう!スタディですから、インタビューの後はワークショップ等も行ないます。参加できるのは23歳以上の女性のみというのが、安心感を与えていますね。

同じ女性だからこそ一緒に考えたいテーマ。女性限定なので、安心してツアーに参加することができます。風俗嬢とラブホでおしゃべり!大人な女子会 | Travel the Problem (トラベル・ザ・プロブレム)

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「夜の世界の仕事」に関わる仕事をはじめたきっかけ

角間代表が 「夜の世界の仕事」に関わる仕事をはじめたのは、2010年に起きた大阪二児遺棄事件がきっかけだったそうです。

元々は会社員をしながら、土日はまちづくりNPOという事業に携わっていたそうですが、あるとき風俗店のオーナーから名刺を貰い、風俗産業についての世界を垣間みる機会があったそうです。まちづくりNPOでやっていることにはもちろん意義はあるが、もっと大事なことがあるんじゃないかなと気付かされたその2日後に大阪二児遺棄事件が発覚しました。

メディアでは母親が風俗嬢であったことばかりが盛んに報道され、この事件の本質はまったく分からないままに取りざたされていたのを見て、現在の仕事を始められたとのことでした。

ちなみに私が今回のイベントに参加したのも、大阪二児遺棄事件のルポを書いているライター・杉山春さんの著書「ルポ 虐待」を読んだからでした。

※話は若干逸れますが、この本で感銘を受けたのは最後のページの7行目、

「(前略)子どもの幸せを考える時、母親が子育てから降りられるということもまた、大切だ。少なくとも、母親だけが子育ての責任を負わなくてもいいということが当たり前になれば、大勢の子どもたちが幸せになる。」

 という部分。本当に、その通りだと思います。

風俗産業の実態

GrowAsPeopleでは、店舗を通して数千人の風俗従事者に関わってこられました。

その中で思うのは、風俗というのは「最悪の象徴」のように世間では捉えられていること。シングルマザーが行き着く先は「風俗」であるということですね。しかし、人生は必ずしも風俗で終わりではない。人生にはその先があることを忘れてはならない。

そもそも、なにを持って「風俗嬢」とするのかハッキリしていない。

夜の世界のレイヤーは、大きく分けて「風俗」と「水商売」に分けられる。国内に30万人の風俗産業関係者がいると言われているが、それこそ風俗に対するイメージは人によって全く違う世界に見えている。「新宿スワン」だったり「闇金ウシジマくん」だったり、「池袋ウエストゲートパーク」だったり。

GrowAsPeopleでは、主に「風俗」の「管理型」に注視している。↓

1・管理型・・・風俗店スタッフやスカウトマンがいる

2・搾取型・・・風俗店スタッフやスカウトマンがいる。

3・個人型・・・ここにいる人たちが一番ヤバい。国勢調査でもみえない層

GrowAsPeopleでは風俗店スタッフやスカウトマンにアポを取って話を聞いていくスタイルで活動しています。包括的にみればいいのではないかという声もあるが、セグメントを絞ってやらないと深く関わることができないし、そもそもそこまで大きい団体ではないため無理があるとのこと。個人型に注目して活動しているのは、評論家の荻上チキさんくらい。

また日、本では売春は違法とされているが、違法となる基準はどこにあるのかというと「挿入行為」があるかどうかで判断されるそうです。あれ、となるとソープって違法じゃないの?となりますが限りなくブラックに近いグレーとしてスルーされているのが現状。

風俗のビジネスモデル

風営法の届け出をしている風俗業の内訳は、

  • 派遣型が17,000件
  • 店舗型が2,000件

見えているのは店舗型ばかりで、ほとんどは見えない派遣型。派遣型は実態がハッキリしていないことが多い。

風俗は不動産仲介のビジネスに近いのが特徴。というのも、そもそも風俗嬢は風俗店からお給料というカタチでお金を貰っていない。というより、雇用されているわけではないんですね。行為が終わった後にお客さんからお金を貰って、店によりますが5:5や4:6等の割合で分けた取り分を自分の懐にいれ、残りは店に支払うというシステムなんです。日雇いのアルバイトに近いかもしれない。

彼女達には「仕事」という感覚があまりないことが多い。例えて言うならジムに通っているのような感覚。「あー、最近太ってきたなぁ。仕方ない、ジムに行こう。」という感覚でジムに通うのと一緒で、「あー、金なくなってきたなぁ。仕方ない、風俗に行こう。」となるわけですね。おもしろいことに、ジムの会員は4割がゴースト会員だったりするそうですが、風俗も同じくらいだったりするそう。

ちなみに、1店あたりの風俗嬢平均在籍人数は30人、スタッフ6名。

よく風俗は女性最後のセーフティネットと言われているが、実際のところ10人中4人は面接で落とされているのが現実。もはやだれでもできる仕事ではなくなってきているということなんですね(年齢、容姿、メンヘルかどうか等で選別される)。もはやセーフティネットとして機能していないのは明白。これが世間の認識とのズレで一番大きいところかもしれない。そしてそこで溢れてしまった女の子たちが、もっとも危険な「個人型」に流れてしまっている。

風俗嬢が欲しいのは「お金」ではない?

角間代表の話で一番も興味を引いたのがこれ。

実は意外と、「お金」を最重要事項にするよりも「時間」を欲しがっている風俗嬢の方が多いそうなんです。

デリヘルで働く風俗嬢200人に聞いた統計だと、大体30〜40万円が平均月収。これだけのお金を稼ぐのに、1日3回働いたとして約10日。OLでこれだけ稼ごうと思うと月の平均出勤日数25日では不可能でしょう。つまり、同じ(ないしはそれ以上の)お金を稼ぐのにたった10日でいいとなると、自由になる時間が月20日もある風俗の方がいいじゃん!となるのが彼女たちの理屈。むしろ金は最低水準でもいいから時間が欲しい、そのために風俗を利用している人が多いとのことなんですね。

一般的に、仕事で得られるものは「スキル」と「キャリア」と「お金」。しかし風俗では昼の世界で生きていくための「スキル」と「キャリア」は手に入らない。風俗嬢の平均貯金が30万円にも満たないことからも、『お金」ですら得られているとはいえない。つまり風俗では現状なにも手に入らない。

GrowAsPeopleではこの2週間(=OLが働く25日ー風俗嬢が働く10日)の使い方に着目されています。そもそもGrowAsPeopleでは、風俗嬢のセカンドキャリアを助ける活動をしているのであって、辞めさせる手伝いはしていない。風俗に行かせたくないなら、それを支援してくれる他の団体がいっぱいあるのでそっちに行ってくれってことですね。

で、風俗嬢がそこまでして欲しがった時間で何をしているかというと、結局ホストに行ったりパチンコに行ったりニートしてしまったりと、ムダに消費している。どうせならその2週間でセカンドキャリアに繋がることができないかということで、社会との関わりを断たないよう試行錯誤されています。

なんだかんだで18歳〜35歳くらいまではお金が稼げるからどうにかなることが多いが、35歳以上になると月収5万くらいが当たり前になってくる世界。〜35歳まで間にライフスタイルをデザインするお手伝いしないと、その後は生活保護まっしぐらになってしまう。

風俗産業は超ウェブ社会 

世間的にもそうですが、風俗産業にもウェブ化の波は押し寄せてきています。東京五輪が決まりコンビニから成人雑誌が消えていく中、店舗型の風俗店も年々減っています。この流れはもはや止めようがありません。しかし、傍目からは風俗が一掃されてキレイに見えたとしても、派遣型はどんどん増えているわけです。

店舗がなくなり、コンビニからも成人雑誌が無くなっていくとなると、客はどこで情報を探すのでしょうか?当然ながら、それはもちろんインターネットです。であれば、今後店側が意識しないとならないのはSEOです。その流れから、風俗店スタッフはウェブ知識がないと採用すらされなくなりました。

以前は店内で修正されまくった女の子の写真から選んでいましたが、ウェブ化が進み実店舗がなくなってくると、女の子を選ぶのもウェブ上で行なうことになります。つまり修正やモザイクを一部入れるにしても、ネット上に顔を晒さなくてはならないわけです。

風俗で働く女の子がもっとも嫌なのは、「身バレ」と「お茶を引く(一本も客をとれないこと)」こと。ウェブに頼るしかない今、顔を出さざるを得ない。しかし、プライベートでやっているFacebookの写真と風俗サイトの写真が一致する恐れもあり、危険性も高い。また、雇用ではないので退職という考え方もない。つまり、長期にわたって休んでいても写真は風俗サイトに掲載されたままということも大いにありえる。これは昨今問題になっているリベンジポルノにも関係してくる。これに対しては、風俗嬢側からアイデアを出してもらい、改善するためのアプリケーションを開発しているそうです(名前を失念しました…)。

プロダクト化しにくい風俗業界

突然ですが、ライターとストローの共通点は何だと思いますか?

角間代表から発せられた質問に、参加者は誰も答えられず。正解は、「障がい者」が発案したアイテムということ。なるほど、ライターがなくてもマッチがあるし、ストローがなくてもコップから直接の飲むことができる。でも、障がい者の中にはそれができないひともいる。

これが何を表しているかというと、本当に役立つアイデアは当事者からしかでないということです。風俗専門のサービスとして部外者が開発しても、長く根付くようなものはつくれない。だから、前述のアプリも風俗嬢からでたアイデアが採用されているわけなんですね。

只でさえ「風俗」というある種のアンダーグラウンドな世界では、プロダクト化がしにくい。環境と福祉といった分野では進んでいるが、「女性」や「人権」が絡むこの業界では至難のワザ。本当は当事者を交えて考えることが大事だが、この分野に関しては社会学者やアクティビストだけが語れる特権のようになってしまっている。

例えば、ダイアログインザダークという視覚障害を特技にしてしまう暗闇を体験するイベントがあるが、風俗嬢もそれ自体が特技にできるシステムができるといい。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

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Q&A

Q:風俗だけでなく、水商売をやらない理由は?

A:風俗と違って、水商売をやっていることは「言える」ようになったのが大きい。もはややっていることがネガティブではなくなりつつある。小悪魔agehaなんていう雑誌もあるし、小学生女子のなりたい職業1位がキャバ嬢なのもある。

Q:40歳の壁を越えたあとの風俗嬢のキャリアとは

A:風俗店のスタッフになるというカタチならキャリアが活かせる。25歳〜35歳の加速期間を有効的に使っても、貯金がゴール設定になっている人や食えない資格を取るのが目標になっている人は大概失敗する。風俗が魅力的なのは、日払いというその日のうちにリターンがあるところ。本来人は、レスポンスが早い方に引き寄せられるものである。頑張ればすぐに成果がでる方が合理的だし、頑張った成果も数値化される(リピーター率など)。何より分かりやすい。もっと社会は人を褒めないといけないのではないか。

このイベントを通じて

実はGrowAsPeopleの角間代表には、以前プラスハンデキャップが主催するイベントでお目にかかったことがあります。

【イベント開催】当事者意識ってどうすれば持てるの?〜誰かの困りごとを仕事にするという生き方〜 Plus-handicap Session #3 | Plus-handicap

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そのときあまりGrowAsPeopleについて知ることができなかったため今回のイベントも参加してみたのですが、風俗業界の真実について深く知ることができてよかったと感じています。

アンダーグラウンドな世界ながら、遥か昔から存在する風俗業界。何かと存在悪のように扱われがちですが、ずっと昼の世界と寄り添いあいながら共存してきた夜の世界を無くすことなど、もはやできないでしょう。であれば、お互いがより良く生きていけるようにすべきではないか。そんなことを考えさせられました。

とても有意義なイベントでしたので、ぜひ第2回にも参加してみたいと思います。

※イベント前予習記事

母親を子宮に沈める社会 ――大阪二児遺棄事件をもう一度考えるために | SYNODOS -シノドス-

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