北川景子×深田恭子 『ルームメイト』どんでん返しは、一度とは限らない。


今邑 彩の原作の存在は知っていました。 同著者の「よもつひらさか」という短編集は非常におもしろいホラーで好きな作品なのですが、何となく手に取ることはなかったこの「ルームメイト」。 気になっていた矢先に映画化の話を聞き、CMや番宣などを見るにつけ、実は興味を失っていきました。というのも、上のメインビジュアルのキャッチコピー。 ”女の素顔は、恐ろしい。 ー決して覗いてはいけないー。” このキャッチコピー、そしてタイトルの「ルームメイト」。 なんとなく内容に想像がつきませんか? ああ、何かのきっかけにルームメイトとなった女性同士が、男か金かに狂って変貌していき、しまいには悲惨な事件が起きていく。そんな安直なストーリーを彷彿とさせますよね。テレビの安っぽいドラマじゃあるまいし、わざわざ映画館で観るほどのものじゃないなというのが観る前の所感です。

それでも、私の大好きな深田恭子が主役の片割れとして出ているということで気になり続けていた中、映画公開初日の舞台挨拶付きチケットを購入できる機会があったので、後ろから3列目のO列と、映画を観るには絶好で舞台挨拶には残念な席ではありましたが、映画にはあまり期待せず、深田恭子目当てで行ってみるかということになりました。

映画を観てまず思ったことは… 「キャッチコピーの嘘つき!!」 ということ。

まず、映画そのものはとてもおもしろかった。 想像していたベタベタな愛憎劇なんかでは決してなく、精神を揺さぶられるサイコサスペンスといった具合でした。原作を知らない人(私も)や、”こういうタイプ”のミステリーに詳しい人でなければ、恐らく終盤の解明シーンまでミスリードされ続けるのではないか。実際、舞台挨拶で古澤監督が客席に「早くに真相がわかった人、手を挙げて」と問いかけた際に、満席の客席から1割くらいの手しか挙がりませんでしたから。

ちなみに、”こういうタイプ”のミステリーとは、いわゆる「多重人格もの」を指しています。正直、こういうタイプの小説や映画は、そうめずらしいものではないでしょう。名作駄作問わず多数存在していますし。このタイプの作品でしたら、私は”ハサミ男”が好きですね。

ただ、さすが今邑彩の原作。そんなに簡単に、誰もが想像するような結末は迎えません。

「どんでん返しが一度限りであると誰が決めた?」

そんなスパイスが効いていました。 DVD化したら、もう一度観てみたいですね。様々なところに伏線が貼ってあったことを見終わった後に気づかされますし、それを確かめたい気持ちも強い。

・・・しかし、それにしてもこのキャッチコピーはどういった意図でつけられたのでしょう? 観終わった後の今なら、この「女」が一般的な女性全体を指しているのではなく、あくまで北川景子の演じる萩尾春海のことを指していることはわかります。そして「恐ろしい」理由も。 ですが、あまりに安っぽくないですか、このコピー。なんだか、”女”をバカにしているような気さえします。誰だって素顔に恐ろしい面はありますし。内容はもっと悲しくて残酷なものなのですから、”女”を安直なキャッチで括らないでもらいたいと感じました。

あ、ちなみに舞台挨拶ですが、まぁ話自体はよくあるもので「映画を見終わった後のお客さんの顔が直接見られて嬉しい」や「初日から満員で感激」といったものでした。ただ、この日は3つの舞台挨拶があった中でマスコミの入らない最終回だったこともあり、ネタバレ話や撮影秘話なども話されたので、非常にラッキーだったかなと。あとやっぱり深田恭子はかわいい。かわいいは正義! とりあえず、キャッチにあるような安っぽい内容ではないので、サイコホラー、サスペンス、多重人格ものが好きな方にはオススメできます。ぜひ劇場で打ち震えてください。

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